コレステロールが高いと言われたら
大切なのは、数字だけを下げることではありません

健康診断で「コレステロールが高い」「中性脂肪が高い」と指摘され、不安になって受診される方は少なくありません。
コレステロール、特にLDLコレステロールが高い状態が長く続くと、血管の壁に動脈硬化が進み、将来の心筋梗塞や脳梗塞などにつながることがあります。
ただし、コレステロールの治療は、単純に「この数値を超えたら薬を飲む」というものではありません。
大切なのは、
を考えることです。
同じコレステロール値であっても、年齢、血圧、糖尿病、腎臓病、喫煙歴、これまでにかかった病気、ご家族の病歴などによって、治療の必要性は大きく異なります。
当院では、検査の数字だけを見るのではなく、一人ひとりの背景を確認しながら、その方に合った治療を一緒に考えます。
脂質異常症とは?
血液中にはいくつかの種類の脂質があります。
代表的なものが、
- LDLコレステロール
- HDLコレステロール
- 中性脂肪(トリグリセライド)
です。
特にLDLコレステロールは、動脈硬化との関係が深いことが分かっています。
一方で、健康診断で基準値を少し超えていたからといって、すべての方がすぐに薬による治療を必要とするわけではありません。
逆に、数値だけを見るとそれほど高くなくても、すでに心筋梗塞や脳梗塞などを経験している方や、ほかの危険因子を複数持っている方では、よりしっかりとコレステロールを下げた方がよい場合があります。
「いくつまで下げればよいか」は、人によって違います
コレステロールの診療で重要なのが、動脈硬化のリスク評価です。
たとえば、診察では次のようなことを確認します。
- これまでのコレステロール値とその推移
- 高血圧や糖尿病の有無
- 腎臓病の有無
- 喫煙の有無
- 心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などの既往
- ご家族に若くして心筋梗塞などを発症した方がいないか
- 食生活、運動、体重などの生活習慣
- 現在服用している薬
- 甲状腺や腎臓の病気など、コレステロールが高くなる別の原因がないか
これらを総合して、
「そもそも薬による治療が必要なのか」
そして治療が必要であれば、
「どの程度までコレステロールを下げることを目標にするのか」
を考えていきます。
そのため、同じLDLコレステロールの値でも、生活習慣を見直しながら経過をみる方もいれば、早めに薬物治療を始めた方がよい方もいます。
若い方でも注意が必要なことがあります
コレステロールが非常に高い場合や、ご家族にもコレステロールが高い方、若くして心筋梗塞などを発症した方がいる場合には、家族性高コレステロール血症という遺伝的な病気が隠れていることがあります。
若いから大丈夫とは限らないため、健診などで高い値を繰り返し指摘されている場合には、一度ご相談ください。
治療は生活習慣と薬を組み合わせて考えます
脂質異常症の治療では、食事、運動、体重管理、禁煙などの生活習慣を整えることが基本です。
ただし、生活習慣だけで十分な方もいれば、将来の心筋梗塞や脳梗塞を予防するために薬を使った方がよい方もいます。
反対に、薬を使うメリットがそれほど大きくない方に、検査値だけを理由として一律に薬を勧める必要はありません。
当院では、治療によって期待できる効果だけでなく、薬の副作用、ご本人の生活や希望なども含めて相談しながら治療方針を決めていきます。
当院での診療
当院では、総合診療・家庭医療の視点から、コレステロールだけでなく、血圧、血糖、腎機能、体重、喫煙、生活習慣、これまでの病気などをまとめて評価します。
将来の心筋梗塞や脳梗塞などをできるだけ予防しながら、その方にとって必要十分な治療を選ぶことを大切にしています。
必要に応じて管理栄養士による栄養相談を行ったり、より詳しい検査や専門的な治療が必要な場合には、地域の専門医療機関と連携します。
こんな方はご相談ください
- 健康診断でコレステロールが高いと言われた
- LDLコレステロールが毎年高い
- 薬を飲んだ方がよいのか分からない
- 薬を勧められたが、本当に必要なのか相談したい
- コレステロールの薬を飲んでおり、自分に合った治療について相談したい
- 高血圧や糖尿病など、ほかにも健診で異常を指摘されている
- 家族にもコレステロールが高い人がいる
- 家族に若くして心筋梗塞や脳梗塞になった人がいる
健康診断の結果をお持ちの方は、過去の結果もあわせてお持ちいただけると、これまでの変化を確認することができます。
「高いと言われたけれど、何をしたらよいか分からない」という段階でも構いません。
一人ひとりのリスクを整理し、生活習慣だけで様子をみてよいのか、薬による治療が必要なのか、必要であればどこまで下げることを目指すのか、一緒に考えていきます。
