「咳やくしゃみをしたときに尿が漏れる」
「重い物を持ち上げたときに、少し尿が漏れてしまう」
このような症状を腹圧性尿失禁といいます。
腹圧性尿失禁とは、お腹に力が入ったタイミングで尿が漏てしまう状態です。
日本排尿機能学会の調査では、30代女性の約25%に腹圧性尿失禁の症状があり、年齢と共に増えていきます。
今回は、30代以降の女性に腹圧性尿失禁が起こりやすい主な理由を2つご紹介します。
1つ目は妊娠・出産です。
妊娠中からリラキシンというホルモンが出て、骨盤周囲の筋肉を緩ませます。また、大きく重たくなる子宮によって、骨盤底筋に負担がかかります。
骨盤底筋とは、膀胱・子宮・直腸などを下から支えている筋肉の集まりです。
リラキシンは筋肉を緩ませて、赤ちゃんが産道から出てくる作用があり、妊娠中から産後3〜6カ月まで分泌されています。
ある研究では、産後1年以内の女性の約30%に尿失禁の症状があると報告されています。自然に治ることもあり、その後症状がなかった人も、40代以降になると筋肉量の低下で、再び症状が出やすくなります。
2つ目は閉経に向けたホルモンの変化です。
閉経に向けて30代後半からエストロゲンが少しずつ減少し始め、閉経前後5年で大きく減少します。エストロゲンには多くの作用があり、その中に肌や粘膜の潤いを保ったり、筋肉維持を助ける作用があります。そのため、エストロゲンが減少すると、骨盤底筋の働きが弱くなり、腹圧性尿失禁の症状が出やすくなります。
けれども「仕方ない」と諦めるのは、まだ早いです。
骨盤底筋体操により、症状が改善したり、予防したりすることができます。
骨盤底筋は、膣や尿道・肛門をしめる役割を担っています。この筋肉を意識しながら、毎日体操を実践することで約1ヶ月程で、効果が現れやすいです。個人差はありますが、正しいやり方で継続することが大切です。
やってみると難しかったり、正しく出来ているのか不安に感じたりする場合は、当院の助産師までご相談ください。
やり方
仰向け姿勢 基本編
1.平らな場所で仰向けに寝て、両膝を立て、足を肩幅程度に開きます。
2.お臍の下に手を当てて、息を吐きながら、5秒かけて膣や肛門を引き上げるイメージで締めます。
3.息を吸いながらゆっくりと力を抜きます。
1~3で1セット×10回を1日3回行います。

